大きな音がして、イブの黄金色の髪が大きく跳ねた。
「いたいっ…」
スヴェンは何も言わず、更に手を振り下ろす。

「ごめんっ…なさいっ…もうっ…」
力を使ってはいけないと強く言われていたのに、イブはどうしてもそれを守れなかった。
弱い物を守る為に奮った力。けれど、その代償はあまりにも大きかった。…いや、大きくなるところだった。
もしも、イブが力を振るっていたら、この辺りも瓦礫と化していただろう。…スヴェンがそれを阻止したのだ。

「もうっ…しないからっ…許してぇ…」
お仕置を受けながら、それでもイブは何だか安心した。